続*時を止めるキスを —Love is...—
「アイツのどこが好きなの?」
それは仕事帰りに、美味しいお酒をお供にご飯を楽しんでいる金曜日の夜のこと。
人気のビストロで、向かいの席に座る柚さんがワイングラス片手にそう尋ねてきた。
「柚さん?どうしたんです急に。
綺麗な顔をしている分、迫力があって怖いですよ」
まだグラス・ワイン2杯目なのにもう酔っ払っているのか、赤い顔をして凄む勢いの彼女に苦笑を返した。
ちなみに私は、パルミジャーノ・レジャーノの旨味たっぷりニョッキを食べている。
絶妙な塩加減のチーズとモチモチ感の組み合わせの虜になっているのは、客入りからして私だけではないはず。
さて、肝心の質問には答えなかったのだが、くだを巻く目の前の美女は気づいていない模様。
——よし。これは酔っ払いの中でも、絡み酒クイーンの称号を与えねば。