続*時を止めるキスを —Love is...—


またこの前の醜態を持ち出すの?と、横やりを入れる彼氏さんにこめかみをヒクヒクとさせる私。

ドラゴンには心配は無用のようなので。……いつか酒に溺れさせようと誓ったことは内緒だ。


そんな会話を繰り広げた、愉快で痛快な電話はとっくに終えている。——そう、スマホを煩わしく感じたのは彼が原因じゃない。

すっかり汗をかき始めたビール缶には手をつけず、スマホ画面をスライドして操作する私。

はぁ、と重くて深い溜め息を吐くと、さっき届いたメールの返信処理をすることにした。


“お久しぶりですね。
さて、ご連絡頂いた件につきましては廃棄下さって構いませんよ。
もしくは、お手数ですが着払いで結構ですのでこちらまでお送り下さい。
お手数お掛けしますが、よろしくお願いいたします。”


うわぁ、なんて他人行儀だろう……いや、これってビジネスメールに等しいよね?


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