続*時を止めるキスを —Love is...—
しかし、ノンストップで送信アイコンをタップ。そのまま“送信完了”を見届けると、ようやくスマホを枕めがけて軽く放った。
すぐさま階下へ直行し、一階のキッチンを目指す。常夜灯のついたリビングに入ると、シンとした静寂に出迎えられる。
日付も変わる寸前の今。きっと私がビールとともに自室へ上がったあと、両親も就寝したのだろう。
足音に気をつけながら、キッチンに入った私はまず電気のスイッチをひとつつける。
大容量の冷蔵庫の扉を開け、贅沢しようと購入してあった、とっておきの地ビールを手にした。
その場で開栓し、微かに炭酸の弾ける音を聞きながら瓶の飲み口に直接口をつける。
苛立ちと腑に落ちない感情まで葬り去るように、ゴクゴクと豪快に半分ほど飲んだ。
そして傾けていた瓶をカウンターへ置く。ふぅ、とひと息つくと、ようやく少し落ち着いた気がするけど。
「無神経だった、んだね。……多分、昔から」と、つい非難の言葉が漏れてしまう。
唐突に平然とメールを送って来た相手さんは、もう私からの返事を見たのかな?
今さら気持ちなんてひと匙も残ってない。でも、やっぱり消化不良な気持ちは消えないものだ。