続*時を止めるキスを —Love is...—
もう龍に感情のすべてを囚われちゃったくらい、ちゃんと付き合い始めるまで必死だったから。
ちなみに枕の上で私の帰りを待っていたスマホは、とっくに通勤バッグへ沈めてある。
——一度ボタンを押したら、真っ暗だったスマホ画面が薄く光りながらメッセージの受信を知らせるから。
でも、こんなうんざりした気分でその相手が誰かもチェックする気にはならず。
何も言うまい、とその機器をテーブルの横に置きっぱなしだったバッグへ放ったというわけだ。
「まあいいや。もう寝よ」
ともあれ、結局は考えるのも面倒になった私はそんなひと言を呟いて眠りに落ちていった。
翌日はちょっと寝坊したので慌てて化粧と髪を整え、ドタドタと物音を立てながら家を出た私。パンプスで小走りに最寄り駅から電車に乗った。
満員どころか許容量を明らかにオーバーした車内で、人の波に揉まれながら会社のある近くの駅へ到着。
改札を出ると近くのコーヒーショップで、デニッシュとカフェオレをテイクアウトし、ようやく会社にたどり着いた。