続*時を止めるキスを —Love is...—


速攻で秘書課の更衣室へ向かうと、出くわした同僚や先輩に挨拶を交わすと部屋には私ひとり。

朝ご飯を食べたい欲求のまま、ロッカーに荷物を入れてすぐにコーヒーショップの袋を開ける。

適当に髪の乱れを直し、口紅を塗る前にパンを食べながらカフェオレを流し込む。

この時点で始業まであと10分超あるし、お腹も満たされて幾分ホッとした。……ドラゴン不在だから、遅いなんて小言もないしね。

ついにスマホの画面をスライドし、受信メールを見ることにした。が、すぐにスーツのポケットに不要の代物と成り下がった物を押し込める。

「ああ、めんどー……」というひと言を更衣室に残し、秘書室まで小走りに向かった。


始業後はそうこうしていたら、あっという間に昼休みの時間を迎えて。今日は例の一件で食欲もあまりない私は、朝行ったコーヒーショップへ行くことに。

オフィス街かつランチ時とあって、店内はスーツや制服姿の社会人で賑わっていた。

イライラ解消してくれそうなホットの甘いラテと、アボガドとエビのサンドイッチを注文し、窓際の席に落ち着く。

熱いカップに口をつけ、ラテを少し飲む。精神的にキている時は自然とミルクや砂糖入りのものを選ぶので、自分でも本当に分かりやすいなと思う。


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