続*時を止めるキスを —Love is...—
こうして私は、「浅川さんですね?」と可愛らしい子から名前を尋ねられたというわけだ。
平静を取り戻すと、今度は通りがかりの、主に男性社員から美少女へ向けられる熱視線の凄まじさに気づく。
そこで私はその場でスマホから先輩秘書へ連絡を入れて、そそくさとオフィスビルを抜け出すことにした。
彼女を誘った先は、通い詰めている例のカフェである。……それこそ一時間前に摂ったランチもここのズボラですが。
緊張と動揺からか、やけに体温が高い私はアイス・カフェオレを選び、彼女は温かいミルクティーを選んで席についた。
比較的空いた日中の店内で改めて向かい合った私たち。その瞬間、相手からもう一度頭を下げられてしまう。
「すみません、突然お伺いしてしまって」
うっ、という言葉を必死で呑み込んだ私。ただ、美少女から頭を下げられると凡人は何もしていないのに罪悪感が襲ってきますが。
「あの、ほんとに気になさらないで下さい。
改めて私、浅川と申します。それで……?」
もう謝らないで欲しい、と固く念を押して、遠慮がちに顔を覗く。すると、大きなアーモンド形の瞳と目が合った。