【完】銀髪ヤンキーとヘタレ少女
呼び出されて
ざわざわと周りに人が集まってくるのが視界の端に見える。
目の前には、わたしの生まれてこのかた一度も染めたことなんてない黒髪とは釣り合わなそうな銀色の髪を輝かせる男の子。
真っ直ぐわたしを見つめてくるのに、照れくさそうに手の甲で口もとを隠す仕草が少し子供みたいで可愛いなんて思ったけど、そんなこと口にしてしまったら最後、
わたしに命はないんじゃないかと錯覚してしまうほどの目つきの悪さ。
「日向 麻波……さん」
「はっ、はいぃぃ!!」
ヤンキーにさん付け…された!?
今、さん付けされたよね!!?
驚いているわたしには構いもせず、彼は言葉を重ねる。
「俺と付き合ってくれませんか?」
「へっ……?」
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