【完】銀髪ヤンキーとヘタレ少女


のほほんと笑うあっちゃんを見て、とてもあの恐ろしい人の彼女だとは思えないなぁ、なんて思いながら腕を組んで唸る


あの仲良くなった日からずーっと信じられていない


「城田大輔って、コワくないの?」


人の彼氏のこと、それも大好きなあっちゃんの彼氏のことを悪く言いたくないけど、あの人、態度は悪いしケンカっ早いって聞くけどなぁ。見たことはないけど


「城田くんね、誤解されやすいだけなの」


あっちゃんはぱあっと花が咲いたような笑顔でわたしに言う


「本当はとっても優しいんだよ」

「とっても優しい人、なのに、け、ケンカするの? それに顔もちょっとコワイし」

「そりゃあ表情に乏しいし無愛想だし、友達や自分の周りの人を悪く言われたらケンカもしちゃうけど」


それでも、と続ける


「誰よりも相手が傷つかないように考えてるし成績もつねに20番以内キープしてるし自分が悪く言われてもケンカはしたことないんだよ」


意外だと思った。

彼氏のことを悪く言われても怒らないあっちゃんにも、あっちゃんの話の中での城田大輔も。


そして、わたしって本当に外見しか見ないんだなって改めて実感した。


< 16 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop