【完】銀髪ヤンキーとヘタレ少女
のほほんと笑うあっちゃんを見て、とてもあの恐ろしい人の彼女だとは思えないなぁ、なんて思いながら腕を組んで唸る
あの仲良くなった日からずーっと信じられていない
「城田大輔って、コワくないの?」
人の彼氏のこと、それも大好きなあっちゃんの彼氏のことを悪く言いたくないけど、あの人、態度は悪いしケンカっ早いって聞くけどなぁ。見たことはないけど
「城田くんね、誤解されやすいだけなの」
あっちゃんはぱあっと花が咲いたような笑顔でわたしに言う
「本当はとっても優しいんだよ」
「とっても優しい人、なのに、け、ケンカするの? それに顔もちょっとコワイし」
「そりゃあ表情に乏しいし無愛想だし、友達や自分の周りの人を悪く言われたらケンカもしちゃうけど」
それでも、と続ける
「誰よりも相手が傷つかないように考えてるし成績もつねに20番以内キープしてるし自分が悪く言われてもケンカはしたことないんだよ」
意外だと思った。
彼氏のことを悪く言われても怒らないあっちゃんにも、あっちゃんの話の中での城田大輔も。
そして、わたしって本当に外見しか見ないんだなって改めて実感した。