【完】銀髪ヤンキーとヘタレ少女


わたしが答えられないことを予想していたのか、やっぱりという表情をしながら鼻で笑う


「別に責めようってわけじゃないけど、じゃあなんで付き合ったわけ?」


さっきよりも威圧感の増した声に怯む


本気でコワイ。泣きそう


「リンがふざけて告白したと思ってる?」


城田大輔は真面目な顔でわたしに質問する


思ってるよ、思うに決まってるじゃん


「ば、罰ゲームかなんかだと……」

「あ、そう」


バカ正直に答えたわたし。

面倒くさそうに、そして睨むような目付きで、次はわたしを見据えて、真っ赤な髪の毛の持ち主はやっぱり鼻で笑う


「俺は、関係ないからどうこう言えるような立場ではないけど、好きじゃないなら気持ちに応えなくてよかったんじゃない」


……もっともだと思った。


だけど、わたしはあのとき恐怖が胸を占領していたわけでありまして。

いや今も泣いて逃げ出したいくらいの恐怖が胸を渦巻いてますが。

って、これ、言い訳だよね。

< 30 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop