【完】銀髪ヤンキーとヘタレ少女
ふわっと、またフルーツ系の香りが鼻腔をくすぐる。
この匂い、好きかも
じゃ、なくて!
ど、どうしよう! 漫画みたいにわたし人質にとられたら!
泣きそうになっているわたしに、ヤンキーの片方が不機嫌そうに片岡くんに話しかけた
「この前の飯代奢ったわけじゃねえからな!! お前俺の金返せよー!」
えっ?
思わず顔を上げるけど、片岡くんの背中しかわたしの視界には映らない
「だから来週まで待てって」
あくまで友好的な話し方に首をかしげる。
ん?? どういうこと?
最近のヤンキーのケンカはフレンドリーなの?
「てかお前なに隠してんの?」
ヤンキー二人組の声がそろう。
隠してる、とはわたしのことだろう。