魔法銀行
「新しい"者"かい?こりゃまた随分とやられてるねぇ。」

煙管の灰を落として黒蝶さんがこちらへ来たのを確認して、服を裂く。

女性を下着だけの状態にし、さっきまでは服だった血まみれの布を回収する。


「あと、お願いします。」
「はいよ。」


一礼して部屋を出て、無駄に長い廊下を進んでいるといつのまにか隣に気配を感じる。


「稲荷、捜して。」


そう言って布をつき出すと隣にいた九尾は少し匂いを嗅いでから姿を消した。

廊下の突き当たりの部屋の前で一呼吸おいてドアを開ける。

そこには人形のように表情がない少女を膝の上に乗せて茶を飲んでいる青年がいる。




我らのボス、"魔法銀行頭取"ダニエル・アルバートが。
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