光る月、陰る日
この男、冷静さを失って防御力こそ落ちたものの普通に強ェ。
つまりこの無法地帯の住人の中でもだいぶ上の地位にいるはずだ。
この無法地帯を統括する組と族。それ自体がうまく機能してねェからこんな荒れちまったんだろうけど。この男は族に入ってるはずだ。
族に入っている=仲間意識が強い=コイツが俺にやられた=俺に報復…、つまり、俺終了のお知らせ(本日2回目)。
まったく、最悪な誕生日だぜ。
「…お前、ちょっと着いてこい」
突然下から聴こえた声と、「…うっ」顎への衝撃に俺は意識を失った。とてもとても呆気なく。