square moon
その夜、彩は泊まっていった。

彩を抱きながら、彩の顔を見ていてふと、彼女はこう言うときどんな顔をするのだろうと思ってしまった。

彼女の涙を浮かべた顔、彼女の笑顔は見た。

彼女が男に身を任せ、快楽の中にいるとき
どんな顔をするのだろう。

選ばれた男にしか見せない顔だろう。

もしかして、父は彼女に選ばれた男だったのだろうか、とも思ったりした。

他の女を考えながら彩を抱いたのは初めてだった。
< 19 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop