Love.〇〇(アイツ)
: それ、ほんとの嫉妬?
2月14日にめでたく、晴ちゃんの彼女になりました。
今は愛奈にその報告を終えたところです。
「まさか本当に付き合っちゃうとはね」
周りのみんなが寒さに耐えながら体育をしている間、私は愛奈と校庭の隅で休んでいた。
話題はもちろん、昨日の話。
「まずはおめでとう。
ほんとーーーに良かったね!」
「愛奈~!ありがとう。
それで…愛奈は?どうだった?」
2月14日、愛奈は莉一とどうなったのか。
ずっと聞きたいことだった。
「…………うーん……」
口元は笑っているようにも見えるが、下を向き泣きそうになっている目を見て、それは強がりだということにすぐ気がついた。
「愛奈……」
「ダメ、だった。
私、ずっと昔から莉一くんのこと好きだったけど……
莉一くんもね、ずーーーっとずっと好きな人がいるんだって。」
ニコッと笑う愛奈の表情には、きっと色んな理由がある。
「今すぐ好きな人なんて出来ないかもしれないけど、
でもハッキリと聞いてスッキリしたから大丈夫だよ!」
Vサインをする彼女のことが、大好きだと思ってしまった。
そのかっこよさも、最大の強がりも……
「昨日いっぱい泣いたんだけど…ね、
ねぇ、未月……
やっぱり未月に抱きついて泣いていいかな……」
弱さも、温もりも
小さい頃から今も
私が初めて守りたいと思った大切な友達。
「愛奈…」
この時はまだ何も知らなかったけど
ただ、後々知ることになる"本当の事実"を知って
愛奈の心の強さと、愛に感謝した。