Love.〇〇(アイツ)





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「晴ちゃん、未月おはようー!」


教室に入って一番に声をかけてくれたのは親友の愛奈(アイナ)。

小学生のころからの仲で、私が唯一なんでも話せる友達だ。


「愛奈おはよう!
あ、ねぇねぇ、今日学校の帰り駅前のカフェ行こうよ!」


「未月ったら、来てすぐ終わった後のこと考えてんの?」


「だってー!
いいじゃん行こうよ!ね?」


すると愛奈は眉間にシワを寄せながらこう言った。



「んー…………
私、ダイエット中だし?」



愛奈のこの言葉には、実は違う意味も含まれてたりする。


「わかったわかった!
莉一(リイチ)も絶対誘うから!OK?」


「OKー!」


"莉一"


この名前を出すと普段から可愛い愛奈はさらに乙女になる。


「まだHRまで時間あるし、誘ってくるー!」


「よろしくね!」



私は自分のクラス、2-Aを出て廊下を進み、階段を上ってたどり着いた3-Bのクラスへ入って行った。



「莉一!」


名前を呼んだ先にいるのはモデル体型で本当に王子さまと言われても違和感の無い美男子。(愛奈から見てそうらしい。)




莉一には二つ下の泉(イズミ)という弟がいる。


私の家の隣に住んでいて、親同士が親友だ。

つまり、私たち三人は幼馴染みでもあり、兄弟のように育った仲でもある。


そしてこの人が、愛奈がずっと恋してるお方。


「あ、未月だぁ。
どうしたの?」


柔らかい笑顔を振り撒きながら莉一が近づいてきた。


「話してる最中にごめんね?
今日学校終わってから駅前のカフェに新発売のマカロン食べに行くんだけど一緒」

「行く!」



私が話終わる前に目をキラキラさせて返事をした。


莉一は甘いもので意図も簡単にすぐ釣れる。



「じゃあ終わったら迎えにきてね!」

「はーい、またあとでねぇー」



満面の笑みで手を振られた。

なにがなんでも莉一には絶対言えないが、もしかしてアッチ系…………なんじゃないかと疑った時期があったりする。


彼女ができた、等浮いた話を聞いたことがないし、男らしい性格ではないし、甘えんぼだし、年上のくせに年下みたいで。



でも、見慣れているとは言っても整った顔立ちとすっごく優しい性格で、やっぱり莉一はモテるみたいだ。


良い人だと胸を張って言えるからこそ、愛奈には頑張ってほしいと心から思う。




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