Love.〇〇(アイツ)
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いよいよ、きた。
いや、来てしまった。
2月14日、バレンタインデー…………。
いつもより二時間早起きして、朝からお風呂に入って、久し振りにメイクもした。
自慢のミディアムヘアの髪も軽く巻いて…………
手には昨日愛奈と作ったチョコ。
勢いよく家を飛び出したのはいいが、そこから動けず5分が経った。
"気合い入れました"と顔に書いてるような見た目は冷たい風に当たって冷静になると、
とんでもなく恥ずかしくなる。
でも
「行くしかない…………」
早く着いて待ってる、なんてことはできなくて、しばらく動けなくて結局いつも通りの時間に待ち合わせ場所に着いてしまった。
が、いつもならもういるはずの晴ちゃんの姿が見当たらない。
「あれ…?」
そのとき、ポケットの中のスマホが震えた。
「晴ちゃん…?」
メッセージアプリを開くと晴ちゃんからだった。
─ わりぃ、寝坊した。
年に1、2回ある晴ちゃんの寝坊。
待ち合わせ場所についてから渡そうと思ってたから、作戦は丸つぶれ。
まさか、今日くるとは。
「どうしよう…………」
あからさまに動揺してしまった私はメッセージに既読をつけたまま悩んでいると、再び晴ちゃんからのメッセージでスマホが震えた。
─ 迎えに来て。
絵文字も何もない殺風景なメッセージ。
でも、私の心臓を早くさせるには十分だった。
少しためらってしまったが
─りょうかい!
覚悟を決めた私は、晴ちゃんの家へ向かった。