君だけに、そっとI love you.
・リセット
──それから。
朝、教室に入って一番に机にうなだれている坂口くんを見つけては「おはよう」と挨拶を続け。
すると、いつも、だるそうな目付きと力ない声で「おはよう……」と私に挨拶を返してくれて、すぐに反対側を向き空を見上げる。
そういえば、坂口くん最近あんまり笑わなくなったよね。
前よりも坂口くんの笑う数が減ったと思うのは私だけだろうか──。
昼休みになると2年2組の教室に自分のお弁当を提げて後輩の高谷さんが鼻歌を歌いながらやってくる。
そう、高谷さんは坂口くんとの距離を少しでも縮めようと日々努力をしているのである。
高谷さんはまだ坂口くんに告白はしていない。
楽しい昼食時の時間のはずが──。
というのは、ここのところずっと、後輩の高谷さん、坂口くん、そして私の3人で一緒にご飯を食べている。
「私はお邪魔虫なんじゃないの?」と心配をして後輩の高谷さんに何度も話をしたんだけれど。
どうしても二人きりだと緊張をして会話が全然弾まないので絶対に私の側に一緒にいてくださいと 後輩の高谷さんに頼まれた。
3人でとる昼食。
あまりにも静かすぎて私は時々ご飯が喉につまりそうになる。
嬉しそうに食べているのは高谷さん一人だけだった。