君だけに、そっとI love you.
吉井さんは案外根が深いところがあるけれど、面白い事を思い付くんだね。
吉井さんらしいといえば、吉井さんらしい──。
掬恵の筆箱に貼ってあるピンク色の付箋を周翼が一枚取って書き出した。
――【わかったよ。】
周翼が書き終えた付箋を掬恵の机の角にそっと貼り付けた。
速攻、付箋を剥がして読んでいる掬恵。
──付箋の色がピッ…ピピ…ピンク、坂口くんどうして嬉しいの、熱でもあるのかな?
掬恵は直接会話をしないで済む方法を朝突然に思いつき、それが付箋だったのだ。
きっと、付箋での会話なんて面倒くさがって、坂口くんが直ぐに怒ると思っていたのに……。
何が嬉しいんだろう、私をからかってるの──。