君だけに、そっとI love you.
「えっ、私が部費を集めるんですか……!?あっ、あのっ……、この際だから、はっきりと言いますがサッカー部のマネージャーは私が自分で入部を決めて希望をしたものじゃないんで・……」
掬恵の話を遮るように溝口先生が話を続けた。
「ああーもう!わかった、わかった!お前が言おうとしてる事は全部俺が分かってるから。でもな、お前、さっき地面を足で蹴って、地球をいじめていたやろ、部費集めはそのペナルティーやから!」
「はっ!?、ペナルティー……?」
──全然、意味が、わからない。
話に納得がいかない目つきで溝口先生の顔を見上げる掬恵。
横長のベンチに腰を掛ける溝口先生。
「まぁ、今日のクラブが終わるまで吉井も一緒に座ってゆっくりとサッカー部の部員達を見ようや。あいつら、笑ってるけど、一人一人課題があって目標に向かって一生懸命に頑張ってるんやで……」
部員達を見る溝口先生の眼差しは温かかった。