君だけに、そっとI love you.
早朝から空は濃い灰色に曇り、雨がしとしとと降っていた。
担任の先生が出席を取り終え、出席簿をバタンと閉じた。
欠席者ゼロ、坂口くんはちょっと遅刻をするらしい。
今日は1限目からクラス全員の身体測定があり、皆体操着に着替えて大人しく席に着いている。
1限目の始まるベルと共に坂口くんが教室のドアを開けて入ってきた。
口元に白いマスクを付けて、虚ろな目付きで担任の先生に礼儀正しくお辞儀をし「おはようございます……」と挨拶をした坂口くん。
──いつもよりも元気がない、見ただけでわかる。
風邪でも引いたのかな?
席につくなり体二つ折れになってぐたっとしている周翼、そして横になったままあまり瞬きをせず目だけはしっかりと開けて掬恵の顔をじっーと見ている。
──もしかして………、
私の顔に“ハナクソ”でも付いているのだろうか。
焦る掬恵。