君だけに、そっとI love you.
――吉井家――
――掬恵の部屋――
午前6時30分。
目覚ましの電子音がピッピッピッピッ……とうるさく鳴る。
白いレースカーテンから入る太陽の光。
掛け布団から顔を少しだけ出す掬恵。
まっ、眩しい──。
目を細めて、あくびをしながら手を伸ばし枕元に置いてあった眼鏡をかける。
そして、ゆっくりと着替えを始める。
目覚まし時計はまだ鳴ったままだ。
──止めるのが面倒くさい、理由はそれだけで、ほっておけばもうすぐ自然に止まるはず……。
朝はどうしても低血圧なせいでテンションが上がりにくい、というよりも上がらない掬恵。