少女目線
私は何もわかってない
「将来何になりたいの?ちかって」


「別に何も…。」


「えぇー。夢ぐらい持とうよー。私達もう高2だよ?来年の今頃は大変なんだよ?」


そんなことこんな蒸し暑い梅雨真っ直中の六月中旬に言われたところで…。

それに私は別に夢なんてもってないしあなたに将来の希望を話す必要もないじゃない…。

という言葉を口の中で咀嚼しつつ私の口からは


「そうだよねー。来年のことを考えないとね。ちなみに、みきは将来何になりたいの?」


という言葉を発している。はぁ~。友達付き合いもろくなもんじゃないな…。


なんて思ってる隣では


「私?私はねー。今の彼氏と関東の方に就職して…」


などというのろけが始まっていたので聞き流すことにした。


私ももう高2か…。などと頬杖ついて窓の外を眺めてしまう。


といっても外は雨なのだが。

確かに将来について考えなければならない。まだ恋もしてないし、処女なのよね私…。


隣でまだのろけているみきは彼氏持ちだし、もう何回もセックスぐらいしているのだろう。


別にセックスしたいわけじゃないが、やはり周りの友達がもう経験してくると私も経験しなくてはならないのかしら?


という衝動?なんかそれじゃあ私が淫乱みたいじゃない。私は決して淫乱じゃないけど…


経験しとかないと周りに置いて行かれそうで嫌。


私は先に行きたくないけど置いて行かれたくもない…そんなわがままな娘なのだ。


だから…


「はぁ~」


「何?ため息なんかついて…もしや?彼氏が欲しかったり?」


「いや、そういうわけじゃないけど…みきの話聞いてると羨ましくってさ。」
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