とある少女の希望の光
「君、俺と歳一緒ぐらいだろ?そのまま喋ってよ。俺そんな風に喋りかけてもらえることって普段まったく無いんだ」
「いや、でも、それは…」
いくらなんでも、そう言おうとしたサラの唇にトキの指が当たった。
「ダメ、これは命令じゃないけどお願い。いっとくけど、俺は普段命令することには慣れてる。でもお願いするのはめったにない。これでも無理っていうなら土下座でもするけど?」
「土下座!?」
冗談じゃない。そんなことをされてしまえば死ぬまで罪悪感に苛まれそうだ。
だけどきっとジルに怒られる。
皆に不審な目でみられる。だから…
「じゃあ、二人きりの時だけなら…」
「充分!ありがとな、サラ」
「トキ王子…」
「トキ!」
「…トキ」
ニカっと笑ってよし、と呟いたトキは再びゴロンと寝転がった。
「お前も寝転がってみろよ。きもちーぞ」
「う、うん」
ドレスのことは少し気になったけれど、やけになってサラも寝転んだ。
「俺さ、親父にそろそろお見合いしろって言われてんの」
「お見合い!?」
腕のことがあってサラには結婚する意志が無い。
いくら求婚されても断り続けているのはそのためだ。
もしそのことが無ければもうそんな年齢になったのだと痛感した。
「でも俺さ…呪われてんだよね」