とある少女の希望の光
「気持ち悪いだろ。でもな、これはもう運命なんだ。俺は由緒ある王家の人間として生まれて、裕福に何不自由なく育ってきた。そのツケだよ。俺ばっかり良い思いしてんじゃねーよっていう、神様からの贈り物だ」
サラは今まで必死に隠してきた。
ただ悲しくて惨めだった。
ジルはそんなサラをこんな考え方ができるように導いてくれていたのかもしれない。
こんな風に、こんな角度から物事を見れるトキを尊敬した。
「あーあ、何喋ってんだろうな俺。なんかお前にはなんでも話せる気がするわ」
「…あなたも、引くの?」
「…あ?」
「あなたも、呪われている人を見たら引くの?」
「サラ、どうした?」
ゆっくりと右腕の包帯を解く。
今まで自分の意思で人に見せようと思ったことは無かった。
サラは、トキに対して今までとは違う感情を抱いていた。
「…お前…!」
完全にあらわになった右腕をトキの目の前に上げた。
「気持ち悪い?受け入れられない?醜いって思う?」
「…馬鹿!」
トキはサラの体を引き寄せて優しく抱きしめてくれた。