とある少女の希望の光



翌日。



「いってらっしゃい。気を付けてね」

「ああ、いってくる」



ジルを見送ったサラは右腕を見た。

何か違和感がある。少し熱い。



「…熱でもあるのかしら?」

サラは今日一日、家から出ずに安静にしておこうと決めた。



「…トキは元気かしら」

この一年、今まで通りにジルとパーティーに行ったりお茶会に呼ばれたりした。
その間も結婚を迫る男性は多く、サラは何度か腕を見せることがあった。

それを見た瞬間の相手の顔を見ると今でも少し落ち込んでしまう。
恐ろしいものを見たような恐怖に歪んだ顔、酷い言葉を浴びせてくる人、叫び声を上げた人もいた。



それでも今までとは違い前を向き続けていられるのは、トキの存在があったからだ。

彼がくれた言葉の数々は、サラの中に大事にしまってある。

何度も勇気付けられ、支えられている。

トキも頑張っている。闘っている。
だから私も頑張ろうと思えるのだ。



…あと一年で、トキに会える。




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