とある少女の希望の光


ーーー



上空には青空が広がっている。

雲一つ無いそこに鳥が舞い、花が舞う。



王城には国中の人達が集まった。

皆笑顔で会話を楽しんでいる。

「ついにこの日が来たわね!」

「今日は記念すべき日だ。なんたってあのクロー様が王位を継承されるのだからな!」

「王子のお顔も見れるのよね?とても美しいお顔立ちだと聞いているわ」



今日はこの国の記念すべき日。

国王が王位を退き、クローがそれを継承する。



城下は祭りで賑わい、人々は踊り歌を歌う。

王城の後ろから打ち上げられる花火に歓声が上がる。



「お!出て来たぞ!クロー様だ!」

「王子もいらっしゃるぞ!」

バルコニーに前任の国王、クロー、トキが出て来た瞬間、ひときわ大きな歓声がが上がった。

そして新しい王の誕生に、人々は歓喜した。



ジルはその様子を遠くから眺める。

「クロー…。お前の息子は、立派に育ったな」



トキは王子として堂々たる振る舞いでそこに立っている。

そして国民に笑顔で手を振っている。





あの日から二年がたった。

20歳になったトキは男らしい顔をしている。



< 28 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop