とある少女の希望の光
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上空には青空が広がっている。
雲一つ無いそこに鳥が舞い、花が舞う。
王城には国中の人達が集まった。
皆笑顔で会話を楽しんでいる。
「ついにこの日が来たわね!」
「今日は記念すべき日だ。なんたってあのクロー様が王位を継承されるのだからな!」
「王子のお顔も見れるのよね?とても美しいお顔立ちだと聞いているわ」
今日はこの国の記念すべき日。
国王が王位を退き、クローがそれを継承する。
城下は祭りで賑わい、人々は踊り歌を歌う。
王城の後ろから打ち上げられる花火に歓声が上がる。
「お!出て来たぞ!クロー様だ!」
「王子もいらっしゃるぞ!」
バルコニーに前任の国王、クロー、トキが出て来た瞬間、ひときわ大きな歓声がが上がった。
そして新しい王の誕生に、人々は歓喜した。
ジルはその様子を遠くから眺める。
「クロー…。お前の息子は、立派に育ったな」
トキは王子として堂々たる振る舞いでそこに立っている。
そして国民に笑顔で手を振っている。
あの日から二年がたった。
20歳になったトキは男らしい顔をしている。