とある少女の希望の光
もう少しで着くところまで階段を駆け上がった時、上から誰かが駆け下りてくる足音が聞こえた。
それが誰か確信した瞬間、彼女の足は止まってしまう。
緊張でどうにかなってしまいそうで立ちすくむ。
やがて”彼”の姿が光に照らされながら現れた。
「………トキ!」
「サラ!」
王子は姫を抱き上げた。
その腕は黒いけれど。
呪われているけれど。
自分の運命を受け入れた。
生まれつき呪われていたということは、生まれつき出会う運命だったということ。
「サラ、結婚しよう」
「よろこんで、トキ」
外から聞こえる盛大な歓声の中、二人はこの先を共に行くことを誓い合った。