とある少女の希望の光

「こちらの麗しい女性は?紹介してくれ、ジル」

「そういえば直接会うのは初めてだったな。サラ、挨拶を」

「…初めまして、クロー様。ジルの娘のサラと申します」

「ああ、君が。この会場でも随分と噂になっていたよ、とんでもなく美しい女性が参加しているとね」

「お褒めにあずかり、光栄でございます」



ドレスを軽く持ち、膝を折って頭を垂れる。

品の良い挨拶、お辞儀の仕方、微笑み方…全部ジルから教わったものだ。



「うちのと同じ歳くらいじゃないかね。トキ、お前も前に出ろ」



クローの後ろから一人の男性が現れた。

「お初にお目にかかります、オーリック家第一王子、トキと申します。以後、お見知りおきを」

とても綺麗なお辞儀をする彼に、サラは一瞬目を奪われた。



「これはこれは。はじめまして、ジルと申します。クロー…お父様とは長い付き合いだけどやっとお会い出来ましたね、トキ王子」

「こいつはこういう場所が苦手だからなあ。今日も無理やり連れて来たんだよ」

「とても目見麗しい王子じゃないか。若い時のお前とは似ても似つかない」

「おい、どういうことだそれは。お前こそサラ嬢の美しさにとても似てないぞ」



はっとしてサラはジルを見た。


< 7 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop