とある少女の希望の光
「こちらの麗しい女性は?紹介してくれ、ジル」
「そういえば直接会うのは初めてだったな。サラ、挨拶を」
「…初めまして、クロー様。ジルの娘のサラと申します」
「ああ、君が。この会場でも随分と噂になっていたよ、とんでもなく美しい女性が参加しているとね」
「お褒めにあずかり、光栄でございます」
ドレスを軽く持ち、膝を折って頭を垂れる。
品の良い挨拶、お辞儀の仕方、微笑み方…全部ジルから教わったものだ。
「うちのと同じ歳くらいじゃないかね。トキ、お前も前に出ろ」
クローの後ろから一人の男性が現れた。
「お初にお目にかかります、オーリック家第一王子、トキと申します。以後、お見知りおきを」
とても綺麗なお辞儀をする彼に、サラは一瞬目を奪われた。
「これはこれは。はじめまして、ジルと申します。クロー…お父様とは長い付き合いだけどやっとお会い出来ましたね、トキ王子」
「こいつはこういう場所が苦手だからなあ。今日も無理やり連れて来たんだよ」
「とても目見麗しい王子じゃないか。若い時のお前とは似ても似つかない」
「おい、どういうことだそれは。お前こそサラ嬢の美しさにとても似てないぞ」
はっとしてサラはジルを見た。