とある少女の希望の光
「素敵…」
「だろ?」
色とりどりの花。
アンティーク調のオシャレなベンチやテーブル。
中央には光が反射する大きな噴水。
そして隣には、得意げな顔を浮かべた王子様。
「こんな素敵なところどうやって見つけられたのですか?」
「俺、パーティーとか来るたびにこうやって抜け出してっからさ。だいたいの会場の穴場とか抜け道とか知ってる」
「それは…良いことなのでしょうか」
「俺にとったら素晴らしいことだね」
そう言ってトキは芝生に寝転がった。
さっきの挨拶が嘘のようだ。
とても王子とは思えない言動や行動にサラは面白くなった。
「あなた、不思議ね。ふふっ!王子様とは思えないわ」
「………」
途端、目を見開いたトキがサラをじっと見た。
「え?…あ」
自分の失言に気付いたサラは顔を青くした。
「も、申し訳ございません!私、今とんでもない事を…」
相手は一国の王子だ。
粗相をすれば、サラだけでなくジルにも迷惑がかかってしまうかもしれない。
「…いや、いいんだ」
「え…」