半径1メートル以内、立入禁止。
俺が認めた人材にケチをつけるな。
*
あたしと橋口さんによる個別指導の甲斐があってか、福島くんは今のところ、蓮見から爆弾を落とされることもなく、毎日がんばっている。
あたしはやっぱり毎日、蓮見の横暴に耐えている。
でも、いいんだー。
なんせ、今は家に帰れば吾郎がいて、あたしを癒してくれるからね♪
「………なんだよ、へらへらしやがって。
気持ち悪いぞ」
こーんなことを蓮見のバカが言ったって、今なら広ぉい心で受け流してあげられるのさ。
「ふふん、プライベートが充実してるのが顔に滲み出ちゃったの。
非リア充さんには刺激が強かったかなー」
「滲み出るどころか、垂れ流しだよ。
迷惑以外の何物でもないから、即刻中止してくれ。
誰もお前のプライベートなんか知りたくない」
蓮見は相変わらずの毒舌で、ばっさりと断ち切るように言った。