明日はきらめく星になっても
「西村先生は、此処へ通われるようになって、若返ったみたいですね」
午後のひと時、いつものように事務所にいた。
「そうかね?気持ちは若くなったが、身体と頭はついていっとらんよ」
弱音を吐いた訳ではない、事実を述べただけだ。
「でも、生かされている限り、足の立つうちは、ここへずっと通ってたいね。ここは私のオアシスだから…」
松田さんも頑張って経営続けて下さいよと話すと、ドンッ!と胸を叩いた。
「皆さんのご要望に応えられるよう、心の拠り所となれるよう、精一杯頑張ります!」
彼女の温かい人柄に触れ、集う人々。
その人々の為にと、彼女はいつも心を配っておる。
長年、看護師として患っている人達を見て来た彼女にとって、“健康” であると言うことは、何にも増して尊い…。それ以上の喜びなど、他にないのだと話しておった…。
「そう言えば、お嫁さんが話しておられたんですが、先生はとても達筆らしいですね。今度、園で書道会をしようかと思うんですけど、是非、講師をして下さいませんか?」
「…僕が?」
「ええ!是非、お願いします!」
教え子のお願いとあらば、断れないのが悪い癖だ。
(なにせ、“ ご老公 ” だからな…)
「いいですよ。こんな老いぼれの字で良ければ、お教えしましょう」
今日よりも先の約束をすると言うことは、それまで生かされていると、証明されたようなものだ。
生かされている限り、今日のような約束を果たしていく事になるのだとしたら…
今、目の前にあるこの一瞬を、
大切に、大切に……。
そうだよな、婆さん…。
午後のひと時、いつものように事務所にいた。
「そうかね?気持ちは若くなったが、身体と頭はついていっとらんよ」
弱音を吐いた訳ではない、事実を述べただけだ。
「でも、生かされている限り、足の立つうちは、ここへずっと通ってたいね。ここは私のオアシスだから…」
松田さんも頑張って経営続けて下さいよと話すと、ドンッ!と胸を叩いた。
「皆さんのご要望に応えられるよう、心の拠り所となれるよう、精一杯頑張ります!」
彼女の温かい人柄に触れ、集う人々。
その人々の為にと、彼女はいつも心を配っておる。
長年、看護師として患っている人達を見て来た彼女にとって、“健康” であると言うことは、何にも増して尊い…。それ以上の喜びなど、他にないのだと話しておった…。
「そう言えば、お嫁さんが話しておられたんですが、先生はとても達筆らしいですね。今度、園で書道会をしようかと思うんですけど、是非、講師をして下さいませんか?」
「…僕が?」
「ええ!是非、お願いします!」
教え子のお願いとあらば、断れないのが悪い癖だ。
(なにせ、“ ご老公 ” だからな…)
「いいですよ。こんな老いぼれの字で良ければ、お教えしましょう」
今日よりも先の約束をすると言うことは、それまで生かされていると、証明されたようなものだ。
生かされている限り、今日のような約束を果たしていく事になるのだとしたら…
今、目の前にあるこの一瞬を、
大切に、大切に……。
そうだよな、婆さん…。