ホシツキ村の物語
始まり
200年前の伝説
今から200年ほど前、このホシツキ村で行われた10年に一度の星祭の日、村長の娘と、村長の娘の友達2人が忽然と姿を消した。
この村には、魔女伝説があった。
村の近くにある、けっして立ち入ってはいけない闇の森といわれる森の奥深くに、
ルシータという魔女がいるという伝説だ。
実際に魔女の姿を見たものはいないが、ずっと昔、ホシツキ村ができる前から、その魔女は森に住み着いているという。
200年前の失踪事件は、その魔女の仕業だと噂が立った。
ちょうどその星祭の数日前、他の村から越してきた家族がいた。
まだ幼い男の子と、その子の両親であろう若い夫婦だ。
黒い衣服に身を包み、村の人たちと極力顔を合わせないように過ごしていた家族だった。
村の人たちは、少しずつその家族と距離を置くようになり、不審がるようになった。
ある日、ホシツキ村ではその家族が、魔女ルシータと何か関係があるのではと噂が立った。
しかし、星祭は村の人たちが親睦を深めるために全員が参加しなければならない掟があったので、
村の人たちは一家を不審に思いながらも、掟にしたがい星祭を決行したのだ。
そんな中で事件は起こってしまった。
3人が姿を消し、翌日には一家も姿を消してしまったのだ。
村の人たちは、やはり一家は魔女の手下か何かで、3人を連れ去ってしまったと結論づけ、必死で3人を探した。
しかし、1年たっても、2年たっても、3人を見つけ出すことはとうとう出来なかった。
それからこの村は、他の村から人が来ると不吉なことが起こると考え、他の村との交流を一切たったのだった。