ホシツキ村の物語
魔女退治!
「急ぎましょう、今ならまだ間に合うわ!」
「あぁ!」
一方そのころ村では、大人たちは祭りのために豪華な食事を作るため、子供たちをおいて一旦各自の家へと帰っていた。
それをじっと見つめているものがいるとも知らずに・・・。
大人がみんないなくなったことを確認すると、闇に潜んでいたルシータは、あっという間に子供たちに呪いをかけてしまった。
呪いをかけられた子供たちは、もうルシータのいいなりだ。
呪いをかけ、薬を飲ませれば、この村の子供たちは完全に魔女になり、
すべてを忘れて一生をルシータのもとで過ごすことになる。
「これでもう、この子供たちはみんな魔女になる。さぁ、この薬をお飲み」
そう言って、ルシータが薬を飲ませようとした。
そのとき・・・!
「まちなさい!」
「お、お前!どうしてここに?!どうやって抜け出してきたんだ・・・!」
ルシータが薬を飲ませようと少し気を抜いたとき、
木の陰からレイがとびだし、ルシータがひるんだ隙に、エルが後ろからとびかかり、薬の入ったヤカンを取り上げたのだ。
「き、貴様らまで!いったいどうやって?!」
「いい加減にしろ、ルシータ!もうやめるんだ!」
「う、うるさい!だまれ!」
ルシータが叫ぶと、突然、突風が吹きつけその場にいたライラたちは吹き飛ばされてしまった。
ルシータは吹き飛んだライラの前に立つと、手に持った杖を振り上げた。
ライラは咄嗟に手で庇い、一瞬の隙を突いてルシータから杖を奪い取り、そのままの勢いで杖を真っ二つに折った。
杖が折れたことで、村の子供たちにかけられた呪いがとけ、我に返った子供たちはルシータの姿を見てパニックになっていた。
「みんな、落ち着いて!」
レイは何とかその場を静めようとしたが、
子供たちにはレイの声は届かず、ますますパニックになるばかりだった。
そんなとき、どこからかとても優しい声が聞こえてきた。
【諦めないで!さぁ、歌って】
その声を聞いたレイとリンが歌いだした。
それにつられるように、ライラとエルも歌いだし、ララ、レレ、ルル、さらには村の子供たちまでもが歌い出した。
♪さぁ一緒に笑いましょう 笑えば心が明るくなる
笑えば希望が生まれてくる
ウ-フフ エヘヘ ア-ハッハ-
ウ-フフ エヘヘ ア-ハッハッハ-
ウ-フフ エヘヘ ア-ハッハ-
ウ-フフ エヘヘ ア-ハッハハ-
歌っていると、ルシータは苦しみだし、その場に座り込んだ。
「よし、いいぞ!繰り返して」
♪もっともっと大きな声で 笑いましょう
笑えばみんなが光輝く
ウ-フフ エヘヘ ア-ハッハ-
ウ-フフ エヘヘ ア-ハッハハ
歌が終わると同時に、ルシータの体から黒い霧のようなものが出てきた。
その霧は、苦しむような叫び声を上げると雲へと吸い込まれていった。