君色に染まりたくて。




電車から降りたあたしは、足早に目的地へと足を進めた

駅を出てすぐに目に入ったのはメロンパンの売っている屋台

おいしそー!
買っちゃおーっと♪

屋台の前で立ち止まり、

「1つください」と言うと、

優しそうなおじさんが

「120円ね!」

と言い、ニコッと笑った

小腹が空いていたあたしはその場でメロンパンを一口かじった

ん~っ♡おいしいー!

李奈にも買えばよかったかな?

まぁいっか♪

あたしはメロンパンを食べながら待ち合わせ場所へと急ぐ



全て食べ終えた時、大きな噴水の前で泣きじゃくっている男の子を見つけた

その噴水の近くに誰もいないせいか、あたししか気づいてないみたい

あたしは急いで男の子のそばに駆け寄った


「どうしたの?迷子?」

そう言うと男の子は、

「お、おにいちゃ、お兄ちゃんがいない~!」

お兄ちゃんとはぐれちゃったのか


「そっかそっか でも大丈夫だよ!お兄ちゃん戻ってくるまでお姉ちゃんが一緒にいてあげるから!だから泣かないの!」

「ほんと…??お姉ちゃん、ありがとっ!」

一瞬にして男の子の顔が太陽みたいに明るくなった

あたしも思わず嬉しくなった
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