嗤うペテン師





「俺、結婚することになった」

ある日、うちに来た彼が言った。薬指に光るリングを見せながら。

「そ、う、なんだ……」

動揺する。唐突すぎる彼の言葉に。

お腹の子のことを言えず、一週間が経った頃のことだ。

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