嗤うペテン師
「私は邪魔?」

「……」

「君の幸せに、私は邪魔?」

「邪魔、だ」

辛そうな声。緊張しているのか。
殺意を孕む目で私を睨む。

あぁ、やっぱり単純。
彼の思考は手にとるようにわかる。


結婚して、新しい家庭を持ち。
義父からは将来を約束され。

なのに、私みたいな邪魔者が現れた。

消し去りたいだろう。殺してやりたいだろう。
< 22 / 38 >

この作品をシェア

pagetop