あの木の下で
〜キーンコーンカーンコーン〜

『やっと終わったー』

背伸びをすると席を立ちあがった

「ねぇー郁今日駅前のカラオケ行か
ない?」

少し悩むけど今日は‥

『ごめん‥今日はパスちょっと寄り
たいところがあって』

葵がほっぺを膨らまし

「ふーんだ郁に振られたからやけ食
いしてやるんだから」

『ごめん‥明日は必ず行くから許して』

葵の頭をなでなでし申し訳なさそう
に言った

「分かった‥約束だからね」

『ありがとう葵』

葵に手を振るとあの秘密の場所に
向かった

いつもの景色と風に揺れる葉
そして今日は一人の先客がいた

「ワンワン‼︎」

一人じゃなくて一匹かな

『どうしたの?もしかして君もこの
場所が気に入ったのかな』

犬の頭をなでなですると木の下に
座りこんだ

『この場所落ちつく』

この場所の気持ちよさにいつの間に
か眠ってしまった
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