戦いの果てに得るもの…
第一章
「あーもう!!なんで死なねぇんだ、こいつら!!」
苛立ったように大声を上げたのは十代半ばの少女、可愛らしい外見とは裏腹男口調と右手に握られた剣が彼女が普通の少女でないことを物語っている。
「仕方ないよ。だってそいつら、政府が創り出して手に終えなくなった失敗作なんだし。」
そう答えたのは少女と同じく十代半ばの少年。
街中を歩いていたら声をかけられるであろう程の美少年だが、やはりその手にも剣が握られていた。
「だからってもう数十回は倒してるぞ!?一体後何回倒せば死ぬんだよ!?」
少女は苛立ちを剣に込めて、あるものに対して振り下ろした。
「ぐっぎゃぁぁあ!?」
嫌に耳に残る悲鳴と肉を絶つ音が響いた。
先程まで姿が見えなかった物体が血飛沫を上げその場に倒れ込んだ。
「お、やっと一体死んだね。お疲れ様、奏」
少年は笑顔で少女の元へと歩いていく…
と、少女は少年を睨み付けた。
「貴様ぁ…楓!!お前の持っている剣はおもちゃか!?俺一人で戦ってるじゃん!!」
少女はなかなか死なない敵だけではなく、全く手伝わない少年にも苛ついていたのだ。
「ごめんごめん、奏があまりにも猛スピードで攻撃していたから大丈夫かなって」
「おまっ…それでも相棒かよ!?楓が助けてくれないから俺がっ」
悪びれもせずに笑いながら弁解する少年に少女は呆れながら渇を入れる。
どうやら少女の名前は奏、少年の名前は楓というらしい。
話から察するに、二人は先程の物体の退治に来ているようだ。
「と・こ・ろ・で…奏、これどうするの?」
楓の指差す先にあるのは先程の物体。
戦闘中は暗闇で姿が見えなかったが、今ははっきりと見えている。
どうやら巨大なサルのようだ。
「これもって帰らねぇと給料無しだぜ?持って帰るよ。」
「じゃあ、よろしくね。僕は持てないから。」
ポンっと肩を叩き、眩いほどの笑顔をみせる楓。
奏は、背を向けてあるきだしたその後ろ姿に向けて、そこら辺の石を拾って全力で投げつける。
石は見事に楓の後頭部に直撃した。
「いったぁ!?」
「テメェふざけんじゃねぇよ!!仕事サボったんだからこれぐらいしろよ!!」
「むりむりむり、だって重いから」
石のぶつけられた後頭部をさすりながら、楓は笑みを絶やさずに言ってのける。
それがさらに奏の怒りを増幅させることは分かっているのだろうが、本人はこのスタイルを貫き通すつもりのようだ。
「ちっ…今回の報酬、全部俺が貰うからな」
「えー!?ダメだよ!!」
「うっせ!!働かざる者金もらえずだ!!」
二人の他愛もない口喧嘩は洞窟の中に響き渡った。
苛立ったように大声を上げたのは十代半ばの少女、可愛らしい外見とは裏腹男口調と右手に握られた剣が彼女が普通の少女でないことを物語っている。
「仕方ないよ。だってそいつら、政府が創り出して手に終えなくなった失敗作なんだし。」
そう答えたのは少女と同じく十代半ばの少年。
街中を歩いていたら声をかけられるであろう程の美少年だが、やはりその手にも剣が握られていた。
「だからってもう数十回は倒してるぞ!?一体後何回倒せば死ぬんだよ!?」
少女は苛立ちを剣に込めて、あるものに対して振り下ろした。
「ぐっぎゃぁぁあ!?」
嫌に耳に残る悲鳴と肉を絶つ音が響いた。
先程まで姿が見えなかった物体が血飛沫を上げその場に倒れ込んだ。
「お、やっと一体死んだね。お疲れ様、奏」
少年は笑顔で少女の元へと歩いていく…
と、少女は少年を睨み付けた。
「貴様ぁ…楓!!お前の持っている剣はおもちゃか!?俺一人で戦ってるじゃん!!」
少女はなかなか死なない敵だけではなく、全く手伝わない少年にも苛ついていたのだ。
「ごめんごめん、奏があまりにも猛スピードで攻撃していたから大丈夫かなって」
「おまっ…それでも相棒かよ!?楓が助けてくれないから俺がっ」
悪びれもせずに笑いながら弁解する少年に少女は呆れながら渇を入れる。
どうやら少女の名前は奏、少年の名前は楓というらしい。
話から察するに、二人は先程の物体の退治に来ているようだ。
「と・こ・ろ・で…奏、これどうするの?」
楓の指差す先にあるのは先程の物体。
戦闘中は暗闇で姿が見えなかったが、今ははっきりと見えている。
どうやら巨大なサルのようだ。
「これもって帰らねぇと給料無しだぜ?持って帰るよ。」
「じゃあ、よろしくね。僕は持てないから。」
ポンっと肩を叩き、眩いほどの笑顔をみせる楓。
奏は、背を向けてあるきだしたその後ろ姿に向けて、そこら辺の石を拾って全力で投げつける。
石は見事に楓の後頭部に直撃した。
「いったぁ!?」
「テメェふざけんじゃねぇよ!!仕事サボったんだからこれぐらいしろよ!!」
「むりむりむり、だって重いから」
石のぶつけられた後頭部をさすりながら、楓は笑みを絶やさずに言ってのける。
それがさらに奏の怒りを増幅させることは分かっているのだろうが、本人はこのスタイルを貫き通すつもりのようだ。
「ちっ…今回の報酬、全部俺が貰うからな」
「えー!?ダメだよ!!」
「うっせ!!働かざる者金もらえずだ!!」
二人の他愛もない口喧嘩は洞窟の中に響き渡った。