君を瞳に焼きつけて
ゆっくりと目を開けると、そこは夢で見る暗い世界。
手探りによろよろと起き上がった。

(…そうか、私倒れて…)

今も少し頭がズキンズキンと痛む。
こんなこと初めて。


「いらっしゃい。また来たんだ。」

バッと後ろを振り向くと、セーラー服を着た『私』がいた。


「あなたは…、誰なの?」

恐る恐る聞いてみると、
セーラー服の『私』はクスッと笑って、

「前にも言ったじゃない。私はあなたよ。そして、あなたも私。」

「どうゆうこと?」

そう聞くと、その『私』は悲しそうに少し顔を歪めた。


「…まだ怖がってるんだね。でも、大丈夫。時が来れば、すべてわかる。」

「時が、来れば…?」

「さぁ。もう目を覚ます時間だよ。
あなたは、ここにいるべきじゃないんだから。」

そう言って、くるりと振り返ってタッと走っていった。




「待って!!」





そう言って手を伸ばした瞬間、
暗い世界がパッと消えた。



< 14 / 30 >

この作品をシェア

pagetop