君を瞳に焼きつけて
佐野蕾
「おはよー」
「おはよ!ねぇ、昨日のテレビ観た!?」
たくさんの声が飛び交う朝の教室。
窓際の席に座って、ノートをパラパラとめくっては、窓の外を眺める女子生徒がひとり。
それが私。
そして…
廊下から歓声を浴びながら私の隣の席に座った彼。
佐野 蕾(さの らい)
彼を見れば、普通の女の子は夢中になるだろう。
暗めの茶髪に、180以上はある身長に、すらっと長い手足、そして甘いマスク。
常にトップの成績。
だけど、努力を他人に気付かせない性格。
でも、私は知ってる。
彼の本当の姿を…
「おはよ、白石。」
パラパラとノートをめくる手を止めて、彼を見る。
優しい笑顔の彼。
このクラスで、いや、この学校で私に声をかけるのは、きっと彼だけだろう。
私はペコリと少し頭を下げて、彼とは反対の窓の外を眺め始めた。
今日は青空。
綺麗な空。
明日も晴れるのだろうか。
嫌だ。
雨が降ってほしい。
雨は、降ったことがわかるから。
そんなことを思っているうち、ホームルームが始まった。
「おはよ!ねぇ、昨日のテレビ観た!?」
たくさんの声が飛び交う朝の教室。
窓際の席に座って、ノートをパラパラとめくっては、窓の外を眺める女子生徒がひとり。
それが私。
そして…
廊下から歓声を浴びながら私の隣の席に座った彼。
佐野 蕾(さの らい)
彼を見れば、普通の女の子は夢中になるだろう。
暗めの茶髪に、180以上はある身長に、すらっと長い手足、そして甘いマスク。
常にトップの成績。
だけど、努力を他人に気付かせない性格。
でも、私は知ってる。
彼の本当の姿を…
「おはよ、白石。」
パラパラとノートをめくる手を止めて、彼を見る。
優しい笑顔の彼。
このクラスで、いや、この学校で私に声をかけるのは、きっと彼だけだろう。
私はペコリと少し頭を下げて、彼とは反対の窓の外を眺め始めた。
今日は青空。
綺麗な空。
明日も晴れるのだろうか。
嫌だ。
雨が降ってほしい。
雨は、降ったことがわかるから。
そんなことを思っているうち、ホームルームが始まった。