君を瞳に焼きつけて
異変
今日は検診の日。
学校は1日お休みを取った。
『藍里総合大学病院』
迷いもなく、5階の脳外科へ行く。
待合室にいると、
「こんにちは、陽月ちゃん。」
イスに座る私に目線を合わせて話す男の人。
「…なかむら、かずと先生ですか?」
そう言うと、
「はい。
僕は中村和音といいます。
君の主治医をしているんだ。
よく来たね。」
優しく笑って、頭を撫でてくれた。
その手はとても温かくて、私を無性に安心させた。
診察室に連れていかれ、他愛もない話をする。
名前、年齢、学校の名前、家族構成など…
そして、最近起きている異変を話した。
「昨日のことを、思い出せる…?」
中村先生の表情が少し険しくなる。
「はい…。」
「例えば、どんなこと?」
「例えば…。
昨日食べたものだったり、友達の名前だったり…ですかね。」
私がそう言うと、中村先生は看護師さんを呼んだ。
「陽月ちゃん、少し詳しい検査をしよう。あ、痛い検査ではないから、あまり構えないで大丈夫だよ。」
何やら看護師さんと真剣な顔で話したあと、表情を和らげて言った。
~数時間後~
最初にいた診察室にいると、中村先生が入ってきた。
「陽月ちゃん、最近何か変わったことはあった?」
「変わったこと…ですか?」
変わったこと…。
なんだろう。
変わったことなんて特に…
あ、
あった。
前の私と大きく変わったこと。
「友達が…出来ました…。」
「友達?」
「はい…。澪奈ちゃんと蕾くんっていうんですけど…。名前呼びするようになって…。」
そう。
澪奈ちゃんと友達になったあの日、
私にはもう一つ、変わったことがあった。
学校は1日お休みを取った。
『藍里総合大学病院』
迷いもなく、5階の脳外科へ行く。
待合室にいると、
「こんにちは、陽月ちゃん。」
イスに座る私に目線を合わせて話す男の人。
「…なかむら、かずと先生ですか?」
そう言うと、
「はい。
僕は中村和音といいます。
君の主治医をしているんだ。
よく来たね。」
優しく笑って、頭を撫でてくれた。
その手はとても温かくて、私を無性に安心させた。
診察室に連れていかれ、他愛もない話をする。
名前、年齢、学校の名前、家族構成など…
そして、最近起きている異変を話した。
「昨日のことを、思い出せる…?」
中村先生の表情が少し険しくなる。
「はい…。」
「例えば、どんなこと?」
「例えば…。
昨日食べたものだったり、友達の名前だったり…ですかね。」
私がそう言うと、中村先生は看護師さんを呼んだ。
「陽月ちゃん、少し詳しい検査をしよう。あ、痛い検査ではないから、あまり構えないで大丈夫だよ。」
何やら看護師さんと真剣な顔で話したあと、表情を和らげて言った。
~数時間後~
最初にいた診察室にいると、中村先生が入ってきた。
「陽月ちゃん、最近何か変わったことはあった?」
「変わったこと…ですか?」
変わったこと…。
なんだろう。
変わったことなんて特に…
あ、
あった。
前の私と大きく変わったこと。
「友達が…出来ました…。」
「友達?」
「はい…。澪奈ちゃんと蕾くんっていうんですけど…。名前呼びするようになって…。」
そう。
澪奈ちゃんと友達になったあの日、
私にはもう一つ、変わったことがあった。