俺たちの妹
会話が平行線を辿りそうだったので、声をかける。

「……かな兄?」

私の声で2人が振り向く。

「みぃ。診察終わったの?」

「うん。次は一週間後でいいって」

嬉しくて頬が緩む。

「っ……彼方〜。この子がみぃちゃん?めちゃくちゃ可愛いじゃん」

「あ…だめだめ。大和はみぃを見たら駄目」

そう言いながら私を背中に隠した。

「いいじゃんか、ケチ。……みぃちゃん。俺、彼方と同期の大和。よろしくね」

挨拶はきちんとしなきゃ。

「城之内美晴です。兄がいつもお世話になってます」

かな兄の後ろから隣に移動して、ペコリと頭を下げる。

「みぃ。大和に挨拶なんていいんだよ。これ以上近くにいたら、みぃが穢れちゃう…」

「穢れる?どうして?」

近くにいるだけで穢れるなんて可笑しいよね。

「大和は女癖が悪いんだよ。だから、みぃに手を出すかも知れないだろ」
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