俺たちの妹
診察が終わったと同時にペンを落としてしまった。

コロコロと転がるペンを見て、取りに行こうと立ち上がる。


「……………っっ‼︎」


立ち上がった瞬間、視界が揺れた。


ガタッ

なんとか机に手を付き、倒れるのは免れた。


「あ、危なかった…」

貧血になってるのかな…

「日向先生。次の…って…大丈夫ですか?」

野村さんに見つかってしまった。

「あ、あぁ。大丈夫。ちょっとフラついただけ」

笑って見せると

「………」

無言でおデコを触られた。

「日向先生。熱いです。熱がありますよ。測って下さい。朝は無かったんですか?」

そう言いながら、体温計を渡してきた。
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