俺たちの妹
「じゃ、お粥あるから用意するね。出来るまで、熱測ってて」

そう言って体温計を差し出す。

「………わかった」

少し嫌そうだったけど、測っとかないと、かな兄にも言われそうだもんね。

そう思い、お粥を温め直す。



ピピ、ピピ、ピピ

体温計が鳴った。

「マジか…」

頭を抱えたひな兄の呟きが聞こえた。

温め直したお粥を持って、コッソリ後ろへ行って覗いてみると39.2の表示。

「数時間前と変わってないよ。上がり切ったのかもね」

ニッコリ笑ってお粥をテーブルに置く。


「そうなの?それじゃ、後は下げるだけだな。美晴、色々ありがとな。でも、無理だけはしないで…」

「大丈夫。無理はしてないよ。いつも看病してもらってるから、そのお返し」

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