俺たちの妹
そっと病室を出る。
向かう先は司さんのところ。
長い廊下を歩く。
コンコンコン
「………」
返事がないのは何時ものこと。
ガラッ
と開けると、先生方がいた。
ソファーで寝てる先生や、ご飯を食べてる先生。
仕事をしてる先生もいる。
その中に司さんもいた。
「司さん」
声を掛けると振り返ってくれた。
「葵じゃん。早速来たんだな」
「はい。みぃの様子見たかったんで」
「ほんと心配性だよな〜」
「そう言う司さんもでしょ」
「ハハッ。それもそうだな。
で、今日はどうした?」
「あ、そうだった。
さっき、看護師さんがみぃの部屋に来たんですけど、その人を見た瞬間、みぃの表情強張ってて…
作り笑いしてたんですよね。
話の内容からして、前の入院の時に点滴失敗した人らしくて…」