俺たちの妹

美晴side…

「…それではお願いします。みぃ、また後で様子見に来るな」

葵の声が微かに聞こえる。

あまり動きたくなくて、小さく頷くとにっこり笑った葵が見えた。

「あ、おい。ケホッ…あ、りが、と」

私のおでこをそっと触り、

「気にすんな」

と一言言ってから葵は保健室を出て行った。



今日は暖かい日だったのに、寒気が酷くカタカタ震えが治まらない。


「みぃちゃん、もうすぐ日向くん来るからね。もう一度熱計ろっか」

そう言いながら彩さんは、服の中に体温計を入れて来た。

さっきよりも冷たく感じる体温計。

きっと熱が上がってるんだと思う。



冷たさに声が出る。


「んっ…」

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