俺たちの妹
桜にはああ言ったけど、弱ったな〜。

ま、何とかなるかな…

そう思っていたら、既に見学の子がグラウンドの隅に居た。

私は歩いてその子のところまで行く。

「こんにちは。今日は見学?」

声を掛けると

「みぃちゃんっ‼︎ 1人で心細かった〜」

と、抱きつかれてしまった。

「あ、あの………」

「あ、ごめんね。つい、嬉しくて。
私は隣のクラスの竹内杏奈。
皆からは、アンって呼ばれてるから、みぃちゃんもアンって呼んでね」

「アンちゃん、よろしくね……
私の事は知ってそうだね」

「勿論っ‼︎ 城之内 美晴ちゃんでしょ。
一度ゆっくり話してみたかったんだよね〜」


どうして名前を知られているのか不思議なところだけど、今日の見学は暇しなさそうだな……

と思っていた。



ほんの少しだけ、嫌な予感を残しながら…
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