俺たちの妹
「じゃぁ、決まり。
大したものじゃないけど、作るから待ってて」

「かな兄、ありがとう。
俺も手伝おうか?」

食べるだけなんて、悪いから、聞き返す。

「葵の本業は学生だから、しっかり勉強するのが優先。
来週だろ、テスト。
葵は心配ないけど、他の勉強でもしてたらいいよ」


「かな兄、ありがと」

年の離れた兄貴ってこんな感じなんだろうな……


大人の余裕があって、憧れる……






数十分後……

勉強しながらも、いい匂いに包まれていた。

「はい、出来たよ。食べる?
みぃ起こしに行く?」

「起こしに行く」

「じゃ、行こうか」

2人で再びみぃの部屋へ向かう。

コンコンコン

「はぁい」

みぃの声が聞こえた。

ドアを開けると、ベッドの背もたれに持たれながらも、教科書を読んでいたみぃ。

「目、覚めてたんだね」

かな兄が話しながらベッドに近づく。


「うん、勉強しとかないと落ち着かなくて……あれ?葵、まだいてくれたんだ」

俺の存在に気付いたみたいだった。
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