俺たちの妹
「美晴、送ってくよ。酷くなったら困るでしょ」
「ありがと、ひな兄」
昨日の発熱の後だからか、素直に受け入れた美晴。
2人で車に乗り込み、発進させる。
「可愛い妹のためだから、全然苦じゃないよ」
笑って答えると、美晴もにっこり笑ってくれた。
でも、美晴の口から出る言葉は、やっぱり俺たちの心配なんだ…
「私って、ひな兄やかな兄の送迎にほんとに助けてもらってるよね……
かな兄がお医者さんじゃなくなったら、ひな兄の負担が増えちゃうかな…」
美晴は、兄貴が社長になった後の事を心配してる。
「美晴には、彼氏が出来ただろ?葵に甘えたらいいよ。俺の役目は変わらないよ」
「………葵への負担は増えちゃうけどね….…やっぱりどうしても、負担を掛けちゃう存在なんだよ…」
美晴のネガティブ思考が車内を渦巻いている……
「みぃっ‼︎‼︎」
気持ちを切り替えるつもりで声を大きめにかけた。
「っっっ‼︎」
ハッとして、俺を見つめるみぃ。
「今は目の前にある、テストに集中。
美晴のネガティブ思考出てるよ」
正直に言うと、スッとネガティブ思考を消し去った。
気持ちの切り替えはほんと早い。
「ごめんね…ひな兄。
何か気になっちゃって…でも、まずはテストだね。
これをクリア出来ないと、学校に残れないもんね」
美晴の言葉に胸が痛くなる。