俺たちの妹

どのテストでも、10分前後で、やり終えてしまうみぃ…

いつもの事だけど、やっぱりすごいと思う。





全てのテストが終了し、みんな帰り出した。


でも、みぃは俯いたまま動こうとしない。

近づいて声をかける。



「みぃ。どうした?」

「……葵…どうしよ」

「え?」

「立てないかも…」

「力が入らないの?」

コクン…



無理し過ぎだな…



「俺が支えたらたてそう?」

「やってみる」

脇の下を支えながら立ち上がる。


フラッ


「おっと……無理そう?」

「ちょっと無理かも…」

「抱き上げていい?」

「……お願いしてもいい?」

少し悩みながら答えたみぃ。

人目を気にしてるんだろう。


「もちろん。もう少し人が少なくなってからにしよっか」

「ありがとう」



数分後…


人がまばらになってきたので、みぃをそっと抱き上げる。

胸に顔を埋めるみぃ。

「このまま保健室に行くね。
ひな兄に連絡しておいた方がいいよね?」

「うん…」

顔を埋めたまま頷いた。
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